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2D3.偏見


 残念ながら、偏見や差別はもう仕方ないと思う。
 誰も、本気で「あなたのことを理解できます。あなたの気持ちはわかります」というのはありえないのである。
 そういう人がいたら私は警戒する。
 統合失調症患者の私でさえ、統合失調症患者には接したくないと思っているのである。
 最近、「息子が統合失調症です。会って話がしたい」と、コンタクトを取ってきた人物がいた。私は「会うのは難しいので、メールでならお話できる」と返した。それっきりその人物とは連絡が途絶えた。というか私の返信に対してなんの返信もなくなった。会えないとわかった時点でドロンである。
 私は何かのセールスだったと思う。セールスの誘い文句も多様化したものである。

(1)他人からの差別

 家族や患者が嫌がるのは、ご近所様に知られることである。
 精神病院に通院、または入院。実はこれほどおもしろい話題のネタはないのである。
 ご近所だけではない、会社でも話題にされるだろう。そして見せかけの同情になるのである。「かわいそうに」といっても心は笑っているのである。それが悪いかどうか聞かれると、「しかたないよね?人間だもの」としか言いようがないのである。
 また、この不況下で会社に知られると、解雇の対象になったりする。実際になったしね。
 そして、就職は決まらない。
 いまどきの企業は、健康についてのアンケートを面接時に提出させるところもある。そのアンケートには、今現在治療中の(または完治した)病気を選ぶ欄があり、その病名の中に「うつ病」や「統合失調症」も選択肢にあるのである。
 それをバカ正直に書いても、企業からは採用されないのだ。
 人事担当者はしつこく聞いてくる。「本当に、うつ病とかじゃないね?」と。  私はバカ正直にカミングアウトして不採用になった。当たり前である。誰も精神病患者を採用したくないのだ。
 人事担当者からは「あなたは正直者で信頼できる」と言われたが、「あなたは正直者で信頼できる。ではあなたとは関わりたくないのでさようなら」と言うことなのだ。

 今働いている会社には、病気のことは一切口に出していない。面接でも言っていない。言わなければすぐに採用された。
 そして、健康診断で、「こころの病気・問診票」というのを毎回書かされるが、ここでも問題がないように書いている。
 別に、この病気のことを書かなくても悪いことではない。例えば、会社にいぼ痔であることをカミングアウトする必要はないだろう?まぁ、いぼ痔とは違うが。

 精神病患者にたいしては、まだまだ差別はなくならないだろう。
 会社の人権の講習でも、身体障害者や同性愛者(性的趣向)を差別してはいけませんと書いていたが、精神障害者にたいしてはこのようなことは書かれていなかった。

(2)他人の偏見

 これは病気に対する偏見なのだが、多くの人が「『統合失調症』などの精神病は『気の持ちよう』で治る」と思っている。
 気の持ちようで、妄想や幻聴、幻視、不眠、思考障害が治るとは、すごく馬鹿にしている。
 脳が変調きたして自力で普通の状態に戻らなくなっているから薬を飲んでいるのだ。

 その人は、精神病が「普通の(病気でない)人がちょっと落ち込んでいる状態」だと勘違いしているようだ。
 私は、精神安定剤や、睡眠薬を飲んでいるが、「眠れないからその薬を飲ませて欲しい」と頼まれたことがある。
 いや、自分も「飲んでも効かないから」と、弱い薬だと思って分けてやった。その薬を飲んだ人を見てたら、なんかドラッグをやったような感じになって、手足をバタバタさせながらもがき始めて、それ見てて怖かったんだけど。
 その人は今では私の良き理解者となっている。
 そういう薬を飲まないと普通に社会生活を送れないのだ。

 気の持ちようでは治らないのだ。
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